自己破産をすると、「すべての財産が取り上げられる」「テレビや洗濯機が持っていかれる」「無一文になる」などと言った話を聞くことがあります。
しかし、これらは事実ではありません。自己破産をしたとしても、一定の財産は残しておくことができます。生活必需品も取り上げられることはありません。
自己破産をしても残しておくことのできる財産
生活必需品
一般の家庭にあるようなテレビ、洗濯機、家財道具、料理器具、パソコンなど通常の生活に必要な物品は取り上げられることはありません。
ただし、著しく高価なものは、売却を求められることがありますし、分割払いの途中である場合には、業者が引き上げていくことがあります。
99万円を超えない財産
大阪地方裁判所本庁において破産手続が行われる場合は、財産の総額が99万円を超えず、かつ、現金・普通預金を除く財産の金額が20万円以下である場合は、財産を残したまま破産手続を行うことができます。
例えば、普通預金40万円、自動車10万円、保険の解約返戻金15万円の場合、財産の総額が99万円を超えず、普通預金を除く財産の金額が20万円を超えませんので、そのまま財産を残すことができます。
したがって、自動車を売却する必要もありませんし、保険を解約する必要もありません。
また、少額管財手続においては、財産総額が99万円を超えない限り、普通預金以外の財産の金額が20万円を超えたとしても、財産を残しておくことができます。
ただし、不動産については、残したまま破産手続をすることができないことに注意が必要です。
月々の給与について
自己破産をしたとしても、一定の職業・資格の方以外は、変わらず勤務を続けることができます。
あなたの給料が差し押さえられたりすることはありません。
最後に
自己破産手続は、あなたの経済的な再建を目指す手続です。
あなたの経済的な再建のために、できる限り、多くの財産を残すことは重要ですので、少しでも多くの財産を残しつつ、自己破産手続を行いましょう。